地域ネットワークを強化して街づくりを支える

交通利便性に恵まれ、大型ショッピング施設が集まる武蔵小杉。近年、この街では多くのマンションが完成し、住みたい街としても人気を集めるようになった。この武蔵小杉のまちづくりで重要な役割を果たしているのがNPO法人「小杉駅周辺エリアマネジメント」だ。今回は団体の理事長を務める安藤 均さんと、副理事長の山中 佳彦さんに武蔵小杉の街の魅力と、活動内容についてお話を伺った。

地域ネットワークを強化して街づくりを支える

駅前の街並み
駅前の街並み

――団体の発足の経緯について教えてください

安藤さん:今ではマンションが立ち並ぶ武蔵小杉ですが、以前は工場やグラウンドなどに使われておりました。ところが、再開発により人口が急激に増加し、地域コミュニティの形成や安心・安全なまちづくりを進めるため、何らかの組織が必要になってきたのです。

「武蔵小杉」駅
「武蔵小杉」駅

そこで、「川崎市まちづくり局」が主導して、2005(平成17)年から2006(平成18)年にかけて、地域の町会や商業者、開発事業者が集まり、新住民を受け入れるためにどのような組織が必要なのか話し合いました。その結果、新しいマンションに暮らす方が会員となるNPOを作ればよいという結論になりました。そして、2007(平成19)年に発足したのがNPO法人「小杉駅周辺エリアマネジメント」(通称「エリマネ」)です。現在は9棟のマンションに暮らす方が加入しています。

エリアマネジメントの事務所
エリアマネジメントの事務所

――エリマネはどのような組織なのでしょうか。

山中さん:簡単にまとめると、エリマネは地域のネットワークのハブのような役割を果たす存在であり、ショッピング施設や行政、企業、学校、医療機関など街を構成する組織と住民、働く人が集まって、さまざまな話ができる円卓会議のような場所だと考えています。

エリマネには防災・防犯、街の環境美化、健康増進ほか、子育てや地域のイベントなどいくつかのワーキンググループがあり、それぞれ多様な活動を行っています。

「グランツリー武蔵小杉」
「グランツリー武蔵小杉」

例えば、地域の安全という点では、かつて「武蔵小杉」駅周辺の道路で客待ちのタクシーが並び、通行が困難になるという問題がありました。そこで、有志住民が警察に要望を出し、エリマネがサポートすることで、現在はタクシーの客待ちは解消しました。また、「グランツリー武蔵小杉」のオープン直後は交通渋滞が発生したのですが、この時もエリマネが近隣住民の要望をサポートする形で「グランツリー武蔵小杉」に対策を考えていただきました。このように住民と外部の組織との交渉の窓口という役目もエリマネの重要な活動だと考えています。

「こすぎコアパーク」
「こすぎコアパーク」

――主催するイベントも多いそうですね。

山中さん:7月には「こすぎ夏祭・舞祭」を行います。これは駅前の再開発でしばらく中断していた盆踊りを「こすぎコアパーク」が完成したことで2015(平成27)年から復活させたものです。昨年は初回にもかかわらず15,000人以上の方が参加しました。

「コスギフェスタ」の様子
「コスギフェスタ」の様子

一番大きなイベントは10月に行われている「コスギフェスタ」です。2011(平成24)年から行われており、今年で6回目を迎えます。現在は東横線「武蔵小杉」駅前の「こすぎコアパーク」をメイン会場に使うようになり、参加者も100,000人になりました。武蔵小杉エリアではハロウィンの時にスタンプラリーを行っていたマンションがあるのですが、これをエリア全体に広げ大々的に行うようにしたことがきっかけに始まったもので、当日は仮装した人が街中で見られます。他のエリアではこうしたイベントを業者の支援で行っているようですが、エリマネでは住民のボランティアで行っていることが特徴です。

清掃活動の様子
清掃活動の様子

――ショッピング施設や企業との連携も行われているそうですね。

山中さん:エリマネでは月に1回、街の清掃活動を行っています。イベントを開催する時の交通整理にボランティアとして社員を派遣していただいている企業もありますし、様々な企業から協賛として金銭面での支援も行っていただいています。

パンフレット
パンフレット

――今後のエリマネの活動について教えてください。

山中さん:武蔵小杉には自分の街をよくしたいと思っている方が多く、エリマネで新しく理事になった方も武蔵小杉の旬を紹介するラジオ番組を企画するなど、それぞれ積極的に活動していただいています。まちづくりは人が大事ですから、このようにエリマネが拠点となり、人と人のつながりが深まればよいと思います。

ただ、エリマネの活動がまだ十分に認知されていない点は課題だと考えています。NPO法人として会員となっている住民の方に説明する責任もありますので事業報告や小冊子を発行して、より多くの方に活動を知っていただけるように努力しています。

また、周辺の町内会、商店街では高齢化が進み、人材不足に悩んでいるという声も聞きます。今後はこうした町内会、商店街との交流も進め、地域に必要な取り組みを共同で進めていく方針です。

「センターロード」
「センターロード」

――武蔵小杉の魅力を教えてください

安藤さん:武蔵小杉には新しいショッピング施設も多いのですが、昔から営業を続けている味わいのある店も残っています。とくに「センターロード」は昭和レトロな雰囲気が漂っています。こうした新旧の魅力を併せ持つことも武蔵小杉ならではの特徴だと思います。

山中さん:武蔵小杉は交通の利便性や充実したショッピング施設が魅力といわれますが、それだけではありません。多様な方が暮らし、エリマネのような組織もありますから、人と人がつながり、やりたいことを行える環境があります。

こうしてみんながやりたいことを実現していくことは何事にも代えられない喜びです。武蔵小杉にはまだ多くの可能性が眠っています。ぜひいっしょに武蔵小杉でよりよい街を作っていきましょう。

地域ネットワークを強化して街づくりを支える/NPO法人「小杉駅周辺エリアマネジメント」<br/>理事長 安藤 均さん・副理事長 山中 佳彦さん
地域ネットワークを強化して街づくりを支える/NPO法人「小杉駅周辺エリアマネジメント」<br/>理事長 安藤 均さん・副理事長 山中 佳彦さん

NPO法人小杉駅周辺エリアマネジメント

理事長 安藤 均さん(右)
副理事長 山中 佳彦さん(左)
所在地 :神奈川県川崎市中原区中丸子112-3 リエトコート武蔵小杉リエトプラザⅠ
TEL :044-433-9180
URL:http://musashikosugi.or.jp/
※この情報は2016(平成28)年7月時点のものです。